アレクサンダー・テクニークとは
- 2017.06.24 Saturday
- 00:59
こんばんは!
極楽錠前のKすがです。
改めて、アレクサンダー・テクニークについて書きます。
アレクサンダー・テクニークを発見し方法論化したのは、フレデリック・マサイアス・アレクサンダー(Frederick Matthias Alexander, 1869年 - 1955年)です。アレクサンダーは、オーストラリアでシェイクスピア作品の若い俳優として有望なスタートをしましたが、舞台上で声が出なくなる不調に襲われるようになりました。役者として致命的な不調でしたが、医者も治療のしようがなく、彼は原因をつきとめるべく三面鏡のまえで自分の発話の瞬間を観察していきました。そこで彼は、声を出そうと思った瞬間に、その「声を出そう」という意欲によって、意識せずに首の後ろを縮め緊張させていたことを発見しました。このため頭が重たくのしかかり、声帯を圧迫していたのです。それと反対に、首が楽で、頭部を軽く脊椎の上でバランスを保っていれば声が楽に出ることにも気づきました。
この発見が契機となり、アレクサンダーは、頭、首、背骨の緊張がなければ人間に生来そなわっている初源的調整作用 (プライマリーコントロールprimary control) が活性化され、自分の全力が自由に発揮されると唱え、ました。この考え方に基づいて、アレクサンダー・テクニークを発展させたのです。
アレクサンダー・テクニークを学ぶと、
・音楽やダンス、演劇を表現する時に、楽にできる可能性がある
・肩こり、腰痛などに効果があるかもしれない
・無意識で行っている自分の反応を気づく手がかりになる
・普段の生活でも体が楽に動かせるかもしれない
というように、自分でもなかなか気づけない自分の体の使い方に気づき、楽な状態で過ごせる可能性があります。
アレクサンダー・テクニークは、いろいろ難しい言葉(インヒビション=抑圧,プライマリーコントロール、ミスユース、エンドゲイニングなど)を使っていますが、考え方としては単純だと思います。まず、骨格筋は自分の思うように動かせる。硬い筋肉も使い方によって柔らかくなります。そのために、筋肉を動かすに当たって、なるべく楽に、思い違い(=ミスユース)がないように動かし方を考えます。そして、楽に動かすために、筋肉の力だけに頼らず、基本は骨格(特に背骨)を上手く使い、重力を分散させるやり方を学びます。できるだけ筋肉の力を使わず、脱力した状態に持ってきます。
例えば、筋肉の状態として、一般的に、首の筋肉が締まると、全身の筋肉が固くなります。ですので、まず首を含めた背骨を楽にすることをアレクサンダー・テクニークでは検討します。特に、首に近い背中を広く、楽にすることが大切です。
また、自分の動きを無意識に行わないように意図します。いつもの癖を自分で気づき、変化をもたらすことを考えます。この時に大事なのは自分の体の感覚に気づくことです。だらだらしているのは、リラックスではなく、どこか別の所に負担がかかっている可能性があるので、そこにも注意を払って自分の体の使い方を学んでいきます。
アレクサンダー・テクニークの先生は、ハンズ・オンといわれるソフトタッチで生徒の姿勢を少しずつ変化させ、自然に生徒の気づきを促しつつ、楽な姿勢になるように持っていきます。寝る姿勢を使って、背骨をまっすぐにし、背中を広く楽に、肩や足の力を抜いて全体的に調和が取れるようにします。動かす部分は狭い範囲を少しずつで、一気に姿勢が良い状態にはなりません。
また生徒は「いつもの自然な感覚」をあてにしないようにすることが重要です。自分の体全体の調和がどうなっているか感じ取り、レッスンを進めていけるようになると良いのだと思います。1度でなく、これを続けることで、楽で自然な体の状態を作っていくのがアレクサンダー・テクニークです。
極楽でもアレクサンダーのまねごとをやったことがありますが…。
また、そういうことにチャレンジしてもいいのかな。
演奏会まであと58日。